「年金担保融資」は免責されない

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「年金担保融資」は免責されない

日付:2017年2月21日
カテゴリ:自己破産について

公的年金(国民年金・厚生年金・共済年金)については、自己破産をしても受給できます。但し、年金を担保とした融資には注意が必要です。そもそも年金担保融資の債権は、自己破産手続きをしたとしても免責されないからです。

年金担保融資とは?

年金は、原則として国民年金法で規定されているように、年金給付権を担保にしたり、譲渡したり、また差押えの対象とすることができません。しかし、収入や担保財産が無いお年寄りが、いざ医療費などの資金に困ったときに、年金を担保に借入できるように、国から認められて貸付をおこなっているのが、独立行政法人福祉医療機構の「年金担保融資」です。国が特別に設けた制度であり、2010年の事業仕訳で既に廃止判定されていますが、実務上は今も融資が続いています。

意外と怖い年金担保融資

年金担保融資は、「年金受給権」を担保としているため、年金受給者であれば比較的簡単に融資をうけることができるようです。利用者においても、本来は医療費などの不足を補う目的の融資ですが、生活費や他借金返済に充てる為に利用しており、負債の増加の要因となっています。

自己破産しても免責の対象とならない「年金担保融資」

自己破産は原則として、債務が免責される制度ですが、「年金担保融資」に関しては、自己破産しても借金は無くならない例外的な債権の1つです。破産しても、福祉医療機構が相変わらず年金支給機関から年金を受け取り、契約で定められた分の年金をきっちり差し引いてしまい、受給者が受け取れるのは差し引かれた後の年金だけとなります。

「年金担保融資」は、年金受給権が消滅していない限り、完済するまで年金支給額が天引きされ続ける制度です。年金担保借入がある方で自己破産を検討されている方は、一度弁護士に相談してみてください。


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