三菱UFJニコスの過払い金請求
日付:2017年2月10日
カテゴリ:過払い金について
三菱UFJニコス㈱は、日本信販㈱がUFJカード、DCカードを吸収合併してできた会社です。2005年から三菱UFJグループの傘下となりました。 もともと、日本信販のときから信販会社大手でありましたが、現在も最大手の部類の信販会社です。三菱UFJフィナンシャル・グループでもあるため、資金力も高い会社です
三菱UFJニコスの過払い金発生時期
三菱UFJニコスのクレジットカードには、「キャシング」と「ショピング」の2つの機能があります。ショッピング枠は立替金ですから利息制限法が適用されず過払い金はありません。逆に、キャシングは過払い金の対象となります。三菱UFJニコスは、カードの種類にもよりますが、貸金業法が施改正する前まで利息制限法以上の金利で貸し付けを行っていたため、改正貸金業法施行前から三菱UFJニコスと取引があった場合、過払い金が発生している可能性があります。日本信販・キャッシング専用のマイベスト・DCカード・UFJカード・ガソリンスタンド系のニコスカード等が対象です。契約者ごとに異なりますが、三菱UFJニコスは平成19年(2007年)頃から金利を引き下げ始めましたので、それ以前から三菱UFJニコスと取引がある場合は、過払い金があると思われます。逆に、それ以後三菱UFJニコスから借入をした場合は、法定金利内で貸付しているため過払い金は発生しないことが多いでしょう。但し、平成19年以降の借入でも改正貸金業法の完全施行(平成22年6月)までの間に、18%以上で契約をしていることもあるようです。
三菱UFJニコスの過払い金はどのぐらい回収できるのか?
過払い金の回収金額については、貸金業者ごとに提示してくる割合が異なります。また、三菱UFJニコスに限ったことではありませんが、裁判をするかしないかで回収できる過払い金の条件が異なります。もちろん、いろいろな争点(分断取引、債権譲渡、契約切替、取引未開示、推定計算など)がある場合、請求した金額が認められるとは限りません。三菱UFJニコスは、裁判をしない任意和解の場合、業者に有利な計算方法(無利息方式)の元本を基準に過払い金の8割~9割程度の返還提示が多いと思われます(あくまで争点などが無いとして)。例えば、100万円の過払い金であれば80万円~90万円の返還で和解できます。一方、裁判をした場合、依頼者に最も有利な計算方法(利息充当方式)の過払い金(過払い金元本に年5%の金利が付加)を請求することができ、ほぼ満額(10割)に近い過払い金の返還が可能です。但し、裁判の場合、任意和解より返還までの時間がかかることや、争点があった場合、請求した額が認められない場合もあります。
三菱UFJニコスの過払い金はいつ戻るのか?
三菱UFJニコスの過払い金返還時期についても、裁判をするかしないかで返還時期が異なります。裁判をせず和解した場合、和解成立後4ヶ月~6ヶ月後に返還されます。裁判(返還訴訟)で解決する場合は、さらに数か月間かかることもあります。争点によって異なってきますが、比較的争点が無い場合は、裁判後2ヶ月~3ヶ月で返還されることもあるため、裁判をしない場合(任意和解)と返還時期がほぼ変わらないこともあります。
三菱UFJニコスの過払い金請求の注意点
①完済をしている場合やキャッシングのみのカードであれば問題はありませんが、三菱UFJニコスは、ほとんどがお買い物併用型(ショッピング)のクレジットカードです。この場合にはお買い物分(ショピング)の支払いを完済していないと、キャッシング分の過払い金は、お買い物分(ショッピング)の残高に充てられます。キャッシング分の過払い金と相殺してもお買い物分(ショッピング)の支払い残高のほうが多い場合には、個人信用情報が事故情報(ブラックリスト)になってしまいます。また、三菱UFJニコスは三菱UFJフィナンシャル・グループであり、同一ブランドの保証及び、銀行カードローンの保証会社となっているため、過払い金の請求先が「銀行ローンの保証会社と同一」の場合などは注意が必要です。具体的には、「三菱東京UFJ銀行カードローン」などです。例えば、三菱東京UFJ銀行カードローンを利用中で、三菱UFJニコスの過払い金を請求したケースでは、三菱UFJニコスが三菱東京UFJ銀行カードローンの保証会社となっているので、三菱東京UFJ銀行カードローンの利用が出来なくなります。
②三菱UFJニコスは、多くのカード会社と合併しており、平成19年以前からキャシングを利用していたとしても、カードの種類や契約内容によっては、契約当初から金利が低い場合もあり、過払い金が発生しないことや、取引の長さに比して過払い金が少額というケースもあります。(マイベストカードは金利が低いことが多いようです。)
③三菱UFJニコスは、カードによって取引開示期間が異なります。要は、カードの種類によって未開示期間があります。たとえば、NICOSカードについては、カードキャッシングは平成7年1月頃からの取引についてだけ取引履歴が開示されます。それより前の取引履歴は出てきません。通帳に三菱UFJニコスの引き落としの履歴が残っていればこれをもとに推定計算を行いますが、証拠がない場合は、平成7年1月頃からの取引履歴に基づいて請求することになります。DCカードについては、カードローン・証書貸付は昭和62年10月頃から、カードキャッシングは平成4年7月頃からになります。UFJカードは、平成5年3月頃からの開示になります。
三菱UFJニコスの過払い金請求のまとめ
【三菱UFJニコスの過払い回収率と返還時期】
■裁判なし → 過払い金額の8割~9割 4~6ケ月後
■裁判あり → 過払い金額の10割+過払い利息 6~8ケ月後
※回収金額や返還時期は争点などによって異なります。
【注意点】
■お買い物分(ショピング)利用の有無
■三菱UFJニコスが保証している銀行ローンの有無(三菱東京UFJ銀行カードローンなど)
■契約当初から金利が低い場合もあり、過払い金が発生しないカードもある
■カードによって取引履歴の保存期間が異なる
三菱UFJニコスは、三菱UFJフィナンシャル・グループが株式を保有する大手信販会社ですので、過払い金返還原資に問題なく、比較的に納得できる過払い金の回収が見込める可能性があります。過払い金の発生金額や減額要求、返還時期に応じて、裁判するか裁判しないかなどの判断をされた方がようでしょう。