クレディセゾンの過払い金請求
日付:2017年3月3日
カテゴリ:過払い金について
クレディセゾンは、流通系カード会社最大手のクレジット会社です。セゾンとも略記され、クレディセゾングループには、セゾンカード、UCカード、セブンCSカードなどがあります。このうち過払い金の対象となるのは、「セゾンカード」と「UC」カードの2つです。クレディセゾンは、カード会員総数2,497万人と巨大カード会社であることから、資金力も高い会社です。
クレディセゾンの過払い金発生時期
クレディセゾンのクレジットカードには、「キャシング」と「ショピング」の2つの機能があります。ショッピング枠は立替金ですから利息制限法が適用されず過払い金はありません。逆に、キャシングは過払い金の対象となります。クレディセゾンのキャシングは、貸金業法が施改正する前まで利息制限法以上の金利で貸し付けを行っていたため、改正貸金業法施行前からクレディセゾンと取引があった場合、過払い金が発生している可能性があります。契約者ごとに異なりますが、セゾンカードは平成19年(2007年)7月頃から、UCカードは平成19年(2007年)6月頃から金利を引き下げ始めましたので、それ以前からセゾンカードやUCカードをご利用していた場合は、過払い金があると思われます。逆に、それ以後クレディセゾンから借入をした場合は、法定金利内で貸付しているため過払い金は発生しないことが多いでしょう。
クレディセゾンはどのぐらい回収できるのか?
過払い金の回収金額については、貸金業者ごとに提示してくる割合が異なります。また、クレディセゾンに限ったことではありませんが、裁判をするかしないかで回収できる過払い金の条件が異なります。もちろん、いろいろな争点(分断取引、債権譲渡、契約切替、取引未開示、推定計算、1回払いの契約など)がある場合、請求した金額が認められるとは限りません。クレディセゾンは、裁判をしない任意和解の場合、業者に有利な計算方法(無利息方式)の元本を基準に過払い金10割程度(ほぼ満額)の返還提示が多いと思われます(あくまで争点などが無いとして)。例えば、100万円の過払い金であれば100万円の返還で和解できます。一方、裁判をした場合、依頼者に最も有利な計算方法(利息充当方式)の過払い金(過払い金元本に年5%の金利が付加)を請求することができ、ほぼ満額(10割)の過払い金と5%の金利返還が可能です。但し、裁判の場合、任意和解より返還までの時間がかかることや、争点があった場合、請求した額が認められない場合もあります。
クレディセゾンの過払い金はいつ戻るのか?
クレディセゾンの過払い金返還時期についても、裁判をするかしないかで返還時期が異なります。裁判をせず和解した場合、和解成立後3ヶ月~4ヶ月後に返還されます。裁判(返還訴訟)で解決する場合は、さらに数か月間かかることもあります。争点によって異なってきますが、比較的争点が無い場合は、裁判後4ヶ月~6ヶ月で返還されることもあるため、裁判をしない場合(任意和解)と返還時期がほぼ変わらないこともあります。
クレディセゾンの過払い金請求の注意点
①完済をしている場合やキャッシングのみのカードであれば問題はありませんが、クレディセゾンは、ほとんどがお買い物併用型(ショッピング)のクレジットカードです。この場合にはお買い物分(ショピング)の支払いを完済していないと、キャッシング分の過払い金は、お買い物分(ショッピング)の残高に充てられます。キャッシング分の過払い金と相殺してもお買い物分(ショッピング)の支払い残高のほうが多い場合には、個人信用情報が事故情報(ブラックリスト)になってしまいます。
②UCカードの取引で発生した過払い金について、個別計算や消滅時効などの主張がされることがあります。具体的には、「キャッシングサービス」という翌月一括払いの取引を行なっていた場合の過払い金の計算方法について、取引を一連計算せず、個別計算するという主張をしてきます。このような主張に対しては、最高裁平成19年2月13日判決で「第1の貸付けの際にも第2の貸付けが想定されていた」場合に、過払い金充当合意の存在を認めている点などを示すことで、ほぼ退けることができるのですが、裁判でセゾンの主張が認められるケースもあり、過払い金が大幅に少なくなってしまうこともあります。
③クレディセゾンは、平成3年以前の取引がある場合未開示となることもあります。
クレディセゾンの過払い金請求のまとめ
【クレディセゾンの過払い回収率と返還時期】
■裁判なし → 過払い金額の約10割 3~4ケ月後
■裁判あり → 過払い金額の10割+過払い利息 4~6ケ月後
※回収金額や返還時期は争点などによって異なります。
【注意点】
■お買い物分(ショピング)利用の有無 。
■UCカードの翌月一括払いの過払い金は一連計算が認められない場合もある。
■平成3年以前の取引は未開示となることもある 。
クレディセゾンは大手信販会社ですので、過払い金返還原資に問題なく、比較的に納得できる過払い金の回収が見込める可能性があります。過払い金の発生金額や減額要求、返還時期に応じて、裁判するか裁判しないかなどの判断をされた方がようでしょう。