亡くなった方の過払い金請求

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亡くなった方の過払い金請求

日付:2016年12月5日
カテゴリ:過払い金について

亡くなった方(被相続人)の過払金は相続財産となるので相続人が返還請求することができます。過払い金を請求する権利も相続の対象となります。 借金をしていた方が亡くなられた場合、相続人に当たる親族の方が過払金を受け取れる場合があります。

相続人から過払い金請求をする場合の注意点

相続人の過払い金返還請求(相続財産)を行使すると相続についての単純承認したことになり、原則として相続放棄・限定承認ができなくなります。 そのため他に多額の相続債務(借金)がある場合には注意が必要です。

相続放棄(相続をしない意思表示を家庭裁判所に示すこと)をする期間は3ヵ月と定められていますので、これを期間内にしないと相続を認めたことになってしまいます。 相続というのは借金も引き継がれることになりますので、プラスの財産(過払い金や預貯金など)とマイナスの財産(借金など)のどちらが多いのかをしっかりと確認しておく必要があります。亡くなられた身内の方の借金が判明した場合、内容を確認するため、債権者に契約書や取引履歴の開示を求めることが重要です。

相続人の過払い金請求の方法

過払い金請求することができる権利も相続財産になりますので、原則、法定相続分(法定相続人が相続できる割合のこと)に従い請求をすることになります。 以下の3つの方法があります。

①相続人全員で請求

②代表相続人を決めて請求 (相続人の1人が他の相続人から債権譲渡を受けて請求する方法)

③単独で請求 (法定相続人それぞれが自分の割合にしたがって請求する)

①②は相続人全員の協力が必要ですが、一回で全額を返還請求できます。 ③は相続人ひとりで出来ますが、相続分(1人分)だけの金額を返還請求します。

※相続人全員が協力して一回で全額返還してもらう方がスムーズです。

被相続人の過払い金請求に必要な書類

一般的には以下のような書類が必要となります。

・被相続人の戸籍(出生~死亡まで)

・相続人全員の戸籍

・遺産分割協議書(法定相続分と異なる場合) ※法定相続人全員で請求する場合は不要です。

・委任状(弁護士などの専門家へ依頼する場合)

その他、被相続人の住民票の除票や相続人の住民票などが必要になるケースがあります。 これらの書類は過払い金請求を弁護士などの専門家に依頼すれば、全て手配することも可能です。

解決事例

ゆかり法律事務所では、多数の相続案件を手がけてきましたので解決事例をご紹介します。

【相談前】

夫が過去にカード会社から借金をしており全額支払いしたことを思い出しました。 夫は亡くなってしまいましたが、家族であれば「過払い金の請求ができるのでは?」とご相談いただきました。

【相談後】

調査したところ、①A社251万②P社148万の過払い金があり、相続人(妻と子供2人)が過払い金請求を行い全額返還することが出来ました。

亡くなられた身内の方の借金が判明した場合、一度弁護士にご相談に行かれた方がよいでしょう。


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