任意整理の支払回数について
日付:2017年1月12日
カテゴリ:任意整理について
書類の準備などが少なく、一部の債権者だけ整理することも可能な自由度が高い債務整理方法が「任意整理」です。裁判所などの公的機関を介さずに債権者と交渉し債務整理の合意条件(和解案)を結ぶ手続きのことであり、私的整理とも言います。債務額の確定、支払い方法、債務の減額などにつき、貸金業者など債権者と個別に交渉し、合意に達した場合その内容に基づき債務弁済が行われます。よって、任意整理の支払回数も債権者との合意が必要になります。
任意整理での分割払いは何回まで可能?
任意整理においては、分割払いにしてもらうのが通常の方法ですが、問題はどの程度までの分割払いの回数にしてもらえるかという点です。支払回数が多ければ毎月の返済金額は少なくなりますが、当然、支払う年月は長くなります。もちろん、債権者はリスクのある長期分割より短期分割返済を望みます。 一般的に、任意整理における分割払いの回数は36回払い(3年)が目安になることが多いでしょう。最大でも60回払い(5年)で、これ以上だと債権者と和解をするのは難しいケースが多くなります。5年間で返済しきれない借金といのは、返済の実現性が低くなるため債権者も難色を示します。お支払いする方も、5年以上もの年月をかけて返済を続けるのも大変ですし、個人信用情報(ブラックリスト)も掲載されたままになります。(原則、完済後5年程度は掲載されます)。
36回(3年)~60回(5年)で支払いすることができない場合は?
36回(3年)~60回(5年)の分割払いで和解出来ない場合は、個人再生や自己破産をした方が現実的かもせれません。5年以上長期に渡っての返済になると、生活環境の変化などでまた支払いが滞ってしまう可能性があります。また、60回(5年)以上の支払回数の和解に債権者が応じてくれる可能性も低いので、任意整理で解決できない場合は、個人再生や自己破産の法的手段を検討しなければいけません。
毎月の返済にいくら充てられるか?
家計の収支を見直し、毎月の返済に充てられる金額が重要になります。例えば、200万円の債務を36回で支払う場合、毎月の支払い額は55,000円です(60回の場合34,000円)。要は、毎月55,000円に充てられるようであれば任意整理での解決が可能ですし、難しいようであれば、個人再生や自己破産を検討しなければばらないでしょう。また、貸金業者のなかには、分割払いは絶対に認めない、一括払いでなければ話し合いに応じないという強硬な業者がいることも確かです。そのような貸金業者が債権者に含まれているという場合にも、自己破産や個人再生を検討しなければならなくなるでしょう。