債務整理と住宅ローン
日付:2016年12月24日
カテゴリ:任意整理について
自分名義の自宅を所有している方が債務整理を希望した場合、「任意整理」は自宅をそのまま保持できます。「個人再生」は、住宅ローン残高と自宅の価値を比較し、オーバーローン(自宅の価値より住宅ローン残高が多い)の場合は自宅を保持できます。「自己破産」の場合は原則自宅を手放す必要があります。では、現在は自宅を所有していないが、将来、自宅の購入(住宅ローン)を検討している方が債務整理を希望した場合はどうでしょうか?
債務整理をすると数年間は住宅ローンを組む事は出来ない?
債務整理を行った場合、個人信用情報機関に事故情報(ブラック)が掲載されますので、原則、住宅ローンを組むことは難しいと思われます。一般的には債務整理手続き終了後数年間は信用情報機関に事故情報が登録されたままとなります。「任意整理」であれば債務完済後5年程度、「個人再生」「自己破産」であれば債務完済・手続き終了後7年~10年程度はその旨の記録が残ります。住宅ローン会社(銀行・信用金庫など)は、審査の際に必ず信用情報機関に照会して審査を行いますので、事故情報(ブラック)の掲載期間中はまずローンを組むことができないと思った方がいいでしょう。
尚、任意整理の登録は完済後5年間程度となっていますが、それまでに消滅する場合もあるようです。内容によるのかもしれませんが、4年目に消滅した人もいましたので必ず5年とは限らないようですから、 任意整理後にご自身の信用情報状況が気になる方は、ご自分で照会することもできます。→コチラを確認
「個人再生」「自己破産」の場合、官報にも掲載されますので、さらに住宅ローンを組むことは難しいかもしれません。住宅ローン会社(銀行・信用金庫など)の中には、過去の官報情報を貸付審査に取り入れているところもあるようです。個人再生や自己破産をした数年後に信用情報機関の事故情報(ブラック)が消えたとしても、ローンを組めない場合もあります。→コチラを確認
また、債務整理をした人は、消滅期間が過ぎていないと連帯保証人にもなれません。 住宅ローンも同じことで連帯保証人になることはできませんので、消滅するまでは不可能になります。
債務整理後でも住宅ローンが通りやすくするための方法
残念ながら債務整理後、個人信用情報(ブラック)が消えるまで住宅ローンが組めませんので、 消滅期間が過ぎるまで住宅ローンを申し込みはしない方が良いでしょう。ローンの申し込みをすると半年間は申し込み履歴に残ってしまいますので、 何度も申し込みを重ねると銀行に信用されにくくなります。各信用情報機関へ情報開示をして信用状況を確認してから銀行へ申し込む方をお勧めします。
また、債務整理した相手の金融機関やグループが運営する金融機関が相手だと、5年が経過しても住宅ローンの審査が通らなくなる可能性があります。 例えば、アコム・三菱UFJニコスは三菱東京UFJ銀行グループです。プロミス・アットローンは三井住友銀行グループ、オリエントコーポレーションはみずほ銀行、レイク・ノーローンは新生銀行グループです。ある一定期間が経過し事故情報が消えたとしても、貸金業者各社が保存しているデータには債務整理した記録は残りますので、債務整理した相手方グループ会社からの再借入や住宅ローンはできなくなる可能性があります。
債務整理後に住宅ローンなどをお考えの場合は、債務整理をした金融機関とは関連性の無い銀行口座を開き、少しずつでも良いので貯蓄しておき住宅ローンを申し込む方がいいかもしれません。
デメリットを理解し、焦らず待つことも必要
債務整理は、借金が減額できたり、毎月の返済額を減らせたり、将来利息や借金すべての支払い義務を免除することができる分、それ相応のデメリットがあることも理解しましょう。債務整理期間中は、頭金を貯めるなど貯金に精を出しつつ我慢強くまち続ける方がいいかもしれません。焦らず自分の将来を考えましょう。