親の介護が相続財産に反映されるか?

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親の介護が相続財産に反映されるか?

日付:2016年11月15日
カテゴリ:相続について

親の介護は当たり前?

「私は亡くなった父親の面倒を見て、他の兄弟は一切見なかった。他の兄弟より相続財産を多く貰えますよね?」このようなご相談は少なくありません。結論を先に申し上げますと、ご両親の介護をしたことで相続財産の分配に影響を与えることを期待しないほうがいいでしょう。そもそも裁判所は、被相続人がなくなった時の財産を相続人でどのように分配するのかということ主眼とし、生前の貢献(法律上「寄与分」といいます。)を相続財産の分配に考慮することは例外事項であるという考え方に基づいていると思われます。基本的に東京家庭裁判所では要介護2以上の被相続人を介護(それも、相談者自身の仕事等の合間をぬった介護ではなく、付きっ切りの介護)しなければ寄与分を認めてくれる可能性は少ないと思われます。

寄与分を期待できないときは生前中の対策を!

たとえ自分自身の親とはいえ、介護は多大な労力を要し、身体だけでなく精神的にも疲弊します。個人的には、介護による貢献は、相続財産の分配においてもっと考慮されるべきだと思います。とはいえ、現状はなかなか認められないので他の方法で介護に対する貢献を考えないといけません。

例えば、介護の貢献を考慮した遺言書を作成してもらう、生前贈与を受ける等が考えられます。もっとも、遺言書の内容によっては遺留分の問題、生前贈与の場合は贈与税の問題等様々な問題が生じる可能性があります。また介護をしている相続人も相続財産を多く貰うために被相続人を介護しているわけではないと思いますし、遺言書の作成や生前贈与の話は切り出しにくいと思います。例えば「「相続の問題として何を想定していないといけないのか?」「想定した問題に対して事前にどう対処したほうが良いのか?」ということを一度相談しに行こう」と被相続人に伝えてみてはどうでしょうか?また本サイトを見せていただいてもかまいません。相続が争続にならないようにぜひとも事前対策をしておいてください。

弁護士からのコメント

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