遺留分って何??遺言書と遺留分の関係?
日付:2016年7月26日
カテゴリ:相続について
遺言により自由に出来る財産は遺留分により制限されます
被相続人の自由な意思により遺言を行うことは可能ですが、法定相続人の生活への影響をある程度少なくする必要があります。例えば、遺産の全てを愛人に相続させる遺言書を残されてそのまま執行されてしまっては、今までの生活を大きく変えることになり影響が出る可能性があります。そこで民法第1028条において家族が最低限相続出来る財産について定められています。最低限相続出来る財産を遺留分として定めておくことで遺言による影響をある程度緩和する狙いがあります。ただし、当事者間により遺言の内容を全員同意の上で実行して遺留分を請求しないのであれば問題ありません。あくまでも残された家族の生活を守るという意味合いがあるからです。
遺留分を請求出来る人は限られています
遺言書により相続が行われる際に、遺留分を超えた内容の遺言が残されていた場合には法廷相続人は遺留分を請求出来ます。民法第1028条により定められた割合までの遺留分請求が認められており、請求可能権者は第二順位までに限られています。配偶者、子、親の範囲までとなり第三順位の兄弟には認められていない点に注意が必要です。配偶者または子が法定相続人に踏まれている場合の遺留分は1/2となり、両親のみの場合には1/3の範囲に限り請求が出来ます。遺言を作成する場合に最初から遺留分を考慮して記載すれば遺言を巡るトラブルをある程度回避可能となりますが、法律家に相談した上で作成していない場合には被相続人の自由な内容として遺言が作成されてしまうことから相続問題に繋がりやすくなります。
遺留分減殺請求が必要です
遺言書により相続が行われた場合には、遺留分を侵害された法定相続人は遺留分減殺請求を行う必要があります。相続が開始された日及び自身の遺留分が侵害されていることを知った日から1年以内に請求する必要があり、侵害を知らなかった場合であっても相続開始日から10年以内に遺留分減殺請求を行わなければ時効により消滅してしまいます。遺言の存在について知った日から請求権の消滅時効については注意をしておく必要があり、実際に遺留分減殺請求権が消滅時効にかからないように法律家へ相談しながら、早めに請求を行うなど手を打つ必要があります。本来相続により受け取れる範囲の正当な請求ですから、しっかりと準備した上で手続きを着実に行う必要があります。