自己破産後の生活
日付:2016年12月19日
カテゴリ:自己破産について
はじめは自分の収入で十分返済可能だと思っていた借金も、いろいろな事情により一定の借金の限度を超えると、借金は雪だるま式に増えていきます。多重債務から生活の立て直しを図るため自己破産を決意し、手続きをした場合のデメリットなどについてはいくつかご説明させて頂きました。では、自己破産手続きが終わった(免責許可)後の生活で不自由することなどはあるのでしょうか。
自己破産後も普通の生活、但し・・・
自己破産の申し立て(破産宣告)をし、免責許可がおりると借金が帳消しになります。免責許可を得た時点で、貸金業者などから借りていたお金の返済義務がなくなります。同時に債権者は、返済を求める事も出来なくなりますから金銭消費貸借契約は解除され、債務はなかったことになります。破産手続は、財産を換価処分して、債権者に分配する手続きです。よって、自己破産をすると、大部分の財産を失うことを避けられません。要は、債務も無くなりますが、財産も無くなります。但し、自己破産後に財産を築くことは可能ですし特に制限もありません。また、ある一定期間(7年~10年間)クレジットカードを作れなかったり、ローンを組むことが難しくなりますが、それ以外の制限などは特にありませんので、ごく普通に生活できます。そこで注意したいことは、クレジットカード会社からの借入が制限されるため、ヤミ金などを利用してしまうことです。ヤミ金業者は官報などで自己破産者の情報を入手しハガキなどを自宅へ送って融資の勧誘をもちかけてきます。自己破産者は貸し手がほとんどいないのでヤミ金業者にとっては良いお客様になってしまう可能性があります。生活再建の為に自己破産を申し立てて免責を受けたのに、これでは元の木阿弥です。
免責されない債務もある
自己破産の申し立てを行い免責が許可されても、全ての債務が帳消しになるわけではありません。免責が確定しても免責されない「非免責債権」といものがあります。
税金、罰金、追徴金、不法行為に基づく損害賠償請求権、婚姻費用、離婚時の養育費、従業員の給料などの労働債権の請求権など、ざっと記載しましたが、これらの債務については、免責が確定しても支払いが必要となりませので、自己破産後の生活でも考えないといけないことになります。
自己破産後の生活は計画的に!!
借金返済が苦しく自己破産したわけですから、お金を借りることはもう懲り懲りだと思うのですが、実はかなりの割合の人が、その後も生活のためにお金を借りています。返済できる範囲内であればよいのですが、一定の限度を超えると返済が難しくなります。一度自己破産で免責許可を得た人でも、数年経過すれば二度目の自己破産も可能ですが難易度は上がります。そもそも生活の再建を誓って自己破産したのですから、計画的な生活を心がけましょう。