自己破産すると家族に影響が出るのか?
日付:2017年1月10日
カテゴリ:自己破産について
自己破産を検討している方の中には、家族への影響を不安視されている方も多いのではないでしょうか。「失ってしまうものも多いのでは?」「家族の財産も失うのでは?」「子供の将来に影響するのでは?」といった考えにいたっても、決して不思議なことではありません。 実際はそんなこともありませんが、やはりこうした不安というのはなかなか拭いきれないものです。結論から言えば、「原則として家族への影響はありません」。但し、例外として家族への影響を防げない場合もあります。
家族の財産も処分対象か?
自己破産したら、所有財産を処分する必要がある事は、多くの方がある程度認識しています。自分はともかく、配偶者やお子様など家族の財産まで影響あるとなれば自己破産ができないと思われます。それこそ家庭崩壊に直結してしまいます。自己破産の効力は申立を行った本人に限定されますので、ご家族の財産が処分されることはありませんし、ご家族の債務が免責されることもありません。ですから過度に心配する必要はありませんが、本人の財産とは本人名義という事ではなく、実質的な本人の財産を指しますので、本人が支払いしている子供の学資保険なども処分の対象になります。また、自己破産前に現金などの財産を家族口座に移動しても、それは本人の財産ということで処分の対象になります。それどころか、所有資産の隠ぺいを疑われて免責が不許可になる恐れがありますので、自己破産しなければならない状況になった後に家族に財産を移すことは避けた方がいいでしょう。
家族が連帯保証人の場合
例えば、奥様や成人したお子様、ご兄弟が自己破産者の連帯保証人となっている場合には、債権者からの取立てが連帯保証人に対して行われることになりますので、結果的に連帯保証人であるご家族に迷惑をかけることになります。自己破産者本人の債務は免責されますが、保証人の債務は免責されないので、家族が連帯保証人になっていた場合は、一緒に自己破産をしなければならないかもしれません。 自己破産をするとなれば、連帯保証人への影響を免れることはできませんので、必ず事前に確認・相談をしておくようにしましょう。
自宅が家族で共有名義だった場合
自分名義の自宅を持っている場合、不動産という立派な財産に該当しますので、自己破産するとなれば処分の対象となってしまいます。そうなれば、当然そのまま家に住み続けることはできなくなり引っ越ししなければなりませんのでご家族への影響は避けられません。では、自宅が家族共有名義の場合はどうでしょうか?これは、自己破産申立を行った本人の持ち分を処分する必要があります。今まで通り家族が自宅で生活できるかは処理方法によって異なりますが、一般的には難しいと思われます。自宅の処分は「競売」か「任意売却」になりますが、自宅が「競売」に掛けられ、それを共有名義者である家族が落札するケースもありますが、落札する資金が必要となりますので、共有者や親族に協力してくてる方がいるかが重要となります。また、共有名義の場合は住宅ローンも保証債務(保証人)となっていることも多く、結局のところ共有者と一緒に自己破産をしなければならないかもしれません。
家族のクレジットカードやローンについて
自己破産により家族に影響を及ぼすことはありませんので、家族の方がクレジットカードを作ったり、各種ローンを利用する場合に自己破産者が家族にいるということで、ローン審査が不利になることは基本的にはありません。
子供の進学や結婚への影響について
自己破産することで、破産者の子供の進学や結婚に影響を及ぼすことはまずありません。 特に、子供の進学や就職に影響するのではないかと心配される方も多いようですが、基本的に子供の進学や就職時に、家族に自己破産者がいるか調査されることはありませんので、安心してください。ただし、大学などの奨学金を借入するときの保証人や、自動車などを購入するときの自動車ローンの保証人などには、個人信用情報機関の登録が抹消されるまでの一定期間はなれませんので、注意してください。