任意整理の手順(進め方)
日付:2016年12月9日
カテゴリ:任意整理について
債務整理の中で、書類の準備などが少なく、一部の債権者だけ整理することも可能な自由度が高い債務整理方法が「任意整理」です。 任意整理でのメリットやデメリットについては、以前お伝えしましたが、今回は任意整理の手順(進め方)についてご説明させて頂きます。
※以前の記事→コチラを確認
任意整理にかかる期間はどのぐらいか?
スムーズにいけば、受任から和解成立まで2ケ月~3ケ月ぐらいで終わります。
①各債権者へ受任通知を発送
ご依頼後、弁護士名で各貸金業者やクレジット会社などの債権者に「受任通知」を書面で発送します。 この受任通知発送により、以後のいっさいの窓口はご依頼者の代理人である弁護士になります。したがって、貸金業者などからの支払い催促の連絡なども代理人である弁護士が受けることになります。また、貸金業者やクレジット会社への支払をストップして頂きます。
②債務調査及び引き直し計算と過払い金調査
弁護士が「受任通知」を債権者に発送するとき、併せて借入残高や過去の取引履歴を書面で開示するよう請求します。 受任通知発送後しばらくすると、各債権者から取引履歴の書面が送られてきます。 この取引履歴を基に、すべての取引を利息制限法に基づく法定金利計算(引き直し計算)することで、過払い金の有無などを調査します。 利息制限法を越える利息を返済していた場合は、借金の残高が減ります。借金が無くなって過払い金が発生している場合もあります。 減った借金残高、減らなかった借金残高、過払い金などを一覧にまとめ、債務状況を確定させます。
③債務整理の方針決定と各債権者との和解
引き直し計算によって借金の残高を確定したら、いよいよ債務整理の方針を決めることになります。依頼者の収入や資産、返済原資を確認し、「任意整理」「自己破産」「個人再生」から解決方法をご相談します。「任意整理」の場合は、借金残高を3年(36回)から5年(60回)程度の分割払いで返済が可能かどうかという基準で検討します。 任意整理での方針が決まれば、弁護士が債権者と交渉し、和解を成立させます。支払回数、支払日などは依頼者の意向に沿い交渉します。基本的には将来利息をカットし元金のみ返済する方向で和解を進めます。
④和解成立後の返済
各債権者との話し合いがまとまった場合、和解書を作成しますので、和解内容に沿い各債権者へ支払いを開始して頂くことになります。和解内容に違反して支払いが遅れてしまった場合、約款条項に該当し和解が破棄されてしまいます。和解が破棄されてしまうと、利息や遅延害金を付加して支払うことになりますので注意して下さい。
無理なく返済すめるために・・・
上記①~④の期間は2ケ月~3ケ月ぐらいですが、債権者によっては取引履歴の開示に時間を要しますので、場合によっては3ケ月以上かかることもあります。 ただ、①~④の期間は貸金業者やクレジット会社への支払いをストップしますので、その間に生活の立て直しを図ることが出来ます。また、その間に、弁護士費用を分割でお支払いして頂きますので、各債権者への支払いと重複しないようにしております。そのため無理のない返済を進めていくことが出来ます。
【一般的な例】
■相談前:5社300万借入→毎月10万円の支払い
■ご依頼後の債務調査期間:弁護士費用積立→毎月5万円の積立(2ケ月間)
■和解後の支払い:5社300万円残高→毎月5万円の支払い(60回払い)